黄色いニャンコ?

マオくんのつぶやき(ぼやき?)/長谷川動物病院
黄色いニャンコ?/長谷川動物病院

 

こんにちは。スタッフニャンコのマオです。😺

 

病院には、時々元気のない黄色いニャンコが連れてこられます。🙁

 

茶トラのニャンコじゃなくて、黄疸を起こしてるニャンコね。😿

 

黄疸はわんこよりもニャンコの方が多いから、今回はニャンコのお話です。😺

 

 

黄疸っていうのはね、皮膚とか、目や口の粘膜が黄色く見える症状のことだよ。

 

黄疸色素のビリルビンが血液中に増えているせいで、病名じゃないんだよね。😽

 

わかりやすいのは、耳の内側とか、唇や口の中とか、瞬膜とか、瞼を動かすと見える目の白い部分とかだね。😺  黒猫ちゃんはわかりにくいかも😅

 

 

ビリルビンは、赤血球っていう血液細胞に含まれているヘモグロビンが分解されたもの。🤓

 

赤血球の寿命は大体4ヶ月くらいで、その時が来ると主に脾臓で赤血球が壊されてビリルビンが作られて、さらに肝臓で処理されて胆汁の中に排泄される。🤓

 

だから黄疸を起こしてる子は、その経路のどこかに異常があるはずだよね。🧐

 

 

寿命じゃなくてもタマネギ入りの料理を食べたり、ヘモプラズマっていう寄生虫感染症とか、自己免疫性の病気で赤血球が大量に壊されて(溶血)、黄疸を起こすこともあるよ。🤓

  

食事をするとね、胆嚢が収縮して胆汁が十二指腸に分泌されて食べたものと混ざり合い、小腸で消化吸収されて最終的にウンチの出来上がり♪😎

 

ウンチの色は胆汁の色だし、胆汁が分泌されないとウンチは白っぽくなるんだよ。😺

 

でね、黄疸を起こしてるニャンコはもれなく体の状態が悪くて、ほっといちゃいけない危険な状態なの!🙀

 

ほとんどの子は食欲がなくて、食べたものとか唾液や胃液を吐いたりしてる。🙀

 

触診で、上の方のお腹を痛がる子もいるよ。😿

 

 

黄疸の種類は主に4つ。😺 

1)溶血性黄疸:赤血球が大量に壊されたもの→ タマネギ中毒、自己免疫性溶血性貧血、ヘモプラズマ感染症、低リン血症(糖尿病)など

 

2)肝性黄疸:肝臓病による→ 胆管炎/胆管肝炎症候群、肝リピドーシス、薬物・毒物による肝臓障害、肝臓腫瘍、猫伝染性腹膜炎、アミロイドーシスなど

 

3)閉塞性黄疸:胆管閉塞のため→ 胆嚢炎、胆石、膵炎、腸炎、腫瘍など

 

4)その他:全身性の重度の炎症や感染症、栄養不良など

 

 

わんこは胆のうの病気からくる閉塞性黄疸(肝後性黄疸)が多いけど、ニャンコは胆管肝炎とか肝リピドーシスが原因の肝性黄疸が多いみたい。😺

 

それにニャンコってさ、いろんな病気で体の状態が悪くなる(脱水、高熱など)と、軽い黄疸を起こすことがあるんだよ。😺

 

感染症(敗血症)とか細菌の毒素のせいで、肝臓でのビリルビンの取り込みとか排泄がうまくいかなくなるみたい。🤫

 

 

原因によって治療法が違うから、診断のための検査は大事だよ。😺

 

血液検査は必須で、その子の体の状態を知るためと、貧血と黄疸があるか、他に併発症がないかを調べるね。🤓

 

貧血がなくて、肝性か閉塞性の場合は、肝臓酵素ALT、ALP、GGT)の数値が高くなってるはず。🧐

 

ALTは肝臓の肝細胞が壊されてる時に、ALPGGTは肝臓内外の胆汁の流れが悪くなっている時に高くなるんだよ。🤓

 

ALPは肝臓以外の他の原因でも変動するけど、GGTの方は肝臓オンリー。😺

 

だけど、黄疸があるのにGGTが上がらない子が時々いる。🤔

 

そんな子は多分肝リピドーシスで、ALPが高いのにGGTは正常だったりするんだよ。🤓  それと、TGとTChoも高いはず。😺 

 

反対に、炎症性肝疾患(胆管炎)とか肝外性胆管閉塞のニャンコは、ALPよりもGGTの方が大きく上がるはずだよ。😺

 

GGTは、胆管で作られる酵素だからね。

 

 

ちなみに、ニャンコのALPは半減期がとっても短くて(猫は6時間、犬は70時間)これが上がってる時には、その子はあんまりいい状態ではないだろうね。😿

 

ニャンコのALT(GPT)の半減期は6時間(犬は75時間)、AST(GOT)の半減期は77分(犬は12時間)で、どれもとっても短いんだよ

 

っていうことは、数値が高かった子は肝臓の障害がずっと続いてるってこと。🙀

  

それにニャンコの場合、肝臓酵素はちょっとの上昇だからって安心は禁物。😾

 

ほんの軽度の上昇でも、重度の肝臓障害の可能性があるんだよ。🙀

 

 

逆に、肝不全の末期になると、肝臓酵素の数値は正常値だったり低かったりするんだよ。😿

 

 

肝機能の低下は、BUN↓、アルブミン↓、TCho↓、GLU↓があるかどうか。😺

 

お年寄りニャンコに多い甲状腺機能亢進症でも、(ALTと)ALPが上がって、ビリルビンも少し高くなることがあるから、注意が必要だね。🤔

 

貧血がなくて、肝性でも閉塞性でもなさそうな時、外出する子で感染の可能性があるときはウイルス検査猫白血病、猫伝染性腹膜炎)やトキソプラズマの検査をした方がいいかもね。😺

 

血液検査で大まかな分類をした後は、超音波検査で肝臓や胆のう、そのほかの臓器の様子を調べるよ。😺

 

場合によっては、肝臓の組織検査が必要な時もあるね。🧐

 

この検査はお腹を開けなければならなかったりするから、仮診断で治療してみて、その結果を見ながら治療を進める診断的治療をすることもあるよ。😽

 

ただしこれは外れると、その分治療が遅れちゃうし、場合によっては悪化させちゃう可能性もあるけどね。😿

 

 

治療はそれぞれの原因によるけど、閉塞性の場合は基本的に外科手術、それ以外は内科的な治療だね。😺

 

点滴をして、食べられない子は強制的に栄養補給、吐き気のある子は吐き気を抑えてあげる、あとは胆汁の流れを良くするお薬とか感染症の治療とか。🥺

 

貧血がひどかったら、輸血も必要になるかもね。😿

 

黄疸はどれも様子を見ていると、手遅れになっちゃう可能性が高いから、早めに治療を始めてね。🥺

 

病気や状態にもよるけどさ、入院しなくても、皮下点滴や強制給餌(栄養補給)ができるなら、お家で治療をしてもらうこともあるよ。😺

 

 

 

以上、ほとんど白猫だけど、シッポだけしましま茶トラのマオでした。😸

 

 

※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。