新潟市では、犬猫合わせて、10頭以上の動物を飼育しているご家庭は、新潟市保健所・動物愛護センターへの届け出が義務付けられています。
これは、昨今問題になっている『多頭飼育崩壊』を未然に防ぐための措置です。
10頭は、『多頭飼育崩壊』予備軍ラインと思ってください。
特に繁殖力の強い猫は、オスとメスを飼い始めて不妊手術を受けさせなければ、生後8ヶ月~1年位で初めて出産をし、1~6匹くらいの子猫が生まれます。
その2~6ヶ月後くらいに、また両親が出産をし、生まれてきた子供たちも同じように繁殖をし、これが延々と続くのです。
10匹なんて、本当にあっという間ですし、その後は、手に負えないくらいに増えてしまいます。
『多頭飼育崩壊』は、油断していると、どこのお家でも起こり得ます。
犬も猫も、兄弟、親子の関係なく繁殖します!
確かに、飼い主の方が病気になってしまったりという場合もあります。
ですが、大半は必要な不妊手術を受けさせずに、無計画にどんどん増やしてしまった結果です。
早い段階で、行政や動物愛護団体などに助けを求めていただければ良いのですが、そういう方たちは、増えれば増えるほど人に言えなくなってしまい、表面化しにくいのです。
吠えるワンちゃんと違って、猫ちゃんは周囲の人に気づかれにくいので、わかった時には十分な餌も与えられずに共食いなど、深刻な状況になっていることもあるようです。
新潟市は行政も、愛護団体も一生懸命で、殺処分を行わないように頑張っています。
それでも、人馴れしていない動物は、殺処分の対象になってしまいます。
身勝手な人間の行いのしわ寄せを、動物が負わされているのです。
動物を飼うということは、その一生に対して責任を負うということを、理解していただきたいです。
ご自分の飼育能力を超えることのないように、動物を飼い始めたのなら、早めの不妊手術をお願いいたします。
飼育能力を超えて動物が増えすぎれば、1匹、1匹のお世話が、十分には行き届かないでしょう。
病気になったら、全員の治療をしてあげられますか?
1匹で、その子だけを大事に飼っていただく方が、その子にとって幸せだとは思えないでしょうか?
それでも、手放すことなく全員を飼うと決めたのならば、その時には1匹1匹と向き合って、しっかりと全員のお世話をしていただきたいと思います。
今、全員のお世話が、きちんとできていますか?
「たくさんいるからできない」、とおっしゃる方は、手放すことを、是非お考えくださいませ。
逆に、何匹いてもきちんとお世話の行き届いていらっしゃる方は、そのまま飼い続けてくださいませ。
手放すことができない方の、他の人に、どんな人なのかわからない人に、大切な子犬や子猫を渡すことができないという、その不安なお気持ちはよくわかります。
私も経験があり、後悔は今でもあります。
ですが、個人の能力にはどうしても限界があるのです。
ぜひ、行政や動物愛護団体、動物病院に相談していただけたらと思います。
(ただし正直にお話しいただかないと、何を求められているのかわからなくて、適切なアドバイスができないことが時々あります)
少なくても動物愛護センターは、譲渡希望者への飼育方法の約束事や、譲渡の前に必ず講習を受けていただくなど、ハードルを高くしています。
できないことを人に助けてもらう、人に頼ることは決して恥ずかしいことではありませんよ。(無断で人に押し付けるのはルール違反であり、犯罪ですが)
今回は重いお話になってしまいました。
こんなこともあるというくらいの、ご参考にしていただけましたら幸いです。