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偶然の発覚

 

病気は思いもよらず、偶然に見つかることがあります。

 

この子は精巣腫瘍があり、手術のための検査をしている時に、レントゲン検査で肺の右後葉の部分に腫瘍が見つかりました。

 

腫瘍はこんなに大きいのですが、咳や呼吸の異常などの臨床症状は全くありません。

 

FNA検査など、腫瘍組織を調べる検査をしてみなければはっきりと言い切れませんが、この大きさからして精巣腫瘍が転移したものではなく、別の腫瘍であると思われます。

 

別のこの子は治療の必要のある症状があり、その原因を探るためのレントゲン検査で膀胱結石が見つかりました。

 

結石はまだ小さいですが、知らずに放置すればだんだん大きくなり、男の子ですから尿道閉塞を起こす可能性があります。

 

このように意図せず病気が見つかることは時々あります。

逆に言えば症状や外見だけからは見つけられない病気もあるということです。

 

ある一定の年齢以上の人間の方々は、定期的に人間ドックを受けていらっしゃることと思います。

 

それは病気の早期発見・早期治療のために行われているのですよね?

早期治療の大切さはよくおわかりのことと思います。

 

治療は早いほど、症状はまだ複雑で困難な状況ではなく、治療期間や治療費が少なくて済むというメリットがあります。

 

何より死なずに済むかもしれないのです。

 

動物は1年に4~5歳年を取り、平均寿命は年々伸びています。

なので7歳頃から迎える老年期はとても長いです。

 

7歳を過ぎたら、定期的な健康診断と血液検査やレントゲン検査、超音波検査を受けていただきたい。

私の率直な願いです。

 

ちなみにこの子たちの治療については、飼い主のご家族とのご相談になります。

 

病気の正体がわかれば、複数の治療法を提示してそれぞれのメリット・デメリットを大まかな費用を含めてお話しをし、ご家族のご意向に沿って治療法を決定します。

 

ご家族が積極的な治療を望まれ、私たちの病院では対応できかねる場合は、大学病院や日本動物高度医療センターなどの、高度獣医療専門施設をご紹介しています。

 

もちろん手術を含めて、私たちのできる限りの対応をいたしております。

 

 

毎年、6/1〜8/31、12/1〜2/28血液検査キャンペーンを行なっています。

 

さらに10月は、Team HOPE健康診断キャンペーンとして、血液検査尿・糞便検査レントゲン検査が特別料金で受けられます。

 

気になる症状のある子は、ぜひご相談ください。

 

 

動物たちの健康管理の参考にしていただけましたら幸いです。

 

 

※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。