猫免疫不全ウイルス( FIV)感染症

猫免疫不全ウイルス感染症/長谷川動物病院
 カメラ目線のマオくん/長谷川動物病院

 

こんにちは、スタッフニャンコのマオです。😺

 

昼と夜の寒暖差が大きくて風邪ひきそうだけど、みんな元気?😸

 

 

今回は、ウイルス感染症のお話をします。😺

 

猫免疫不全ウイルス(Feline immunodeficiency virus, FIV)感染症は、『ネコエイズ』って呼ばれてる病気だよ。

 

名前は怖いけど🙀、感染した全てのニャンコがエイズの状態になるわけではないんだよ。

 

普通に天寿を全うするニャンコもたくさんいるしね。😽

 

 

こないだ来院されたご家族は、他の病院で『ネコエイズ陽性』って聞かされて、ショックで怖くて、病気のことを何も知りたくなかったって言ってた。🙀

 

とっても怖い病気だって、思い込んじゃったんだね。😿

 

だけど実際には、『FIV陽性』= 死刑宣告 では決してないからね。😼

 

もちろん完全に楽観視はできないけどさ、飼い主さんには大事なニャンコの病気のこと、ちゃんと知っておいてほしいって思うよ、僕はね。😽

 

 

まず言いたいのはね、発症したら症状は似てるけど、もちろん、人間のエイズとは無関係ウイルスも別物(HIVとFIV)ってこと。😾 

 

人間にエイズウイルス(HIV)を感染させるのは、人間。そこんとこ大事だから、誤解しないでね。😾

 

 

最近は、血液検査で陽性になるニャンコも少なくなったけど、まだ外出してるニャンコは要注意。😾

 

 FIVは、ほぼ、ニャンコ同士の喧嘩で出血するほど強く咬まれた時に、感染しているニャンコの唾液中のウイルスが傷口から体内に侵入して感染が成立するの。

 

他にも、舐め合いっことか、ママニャンコからの胎盤感染とか乳汁感染の可能性もなくはないけど、、可能性は低いね。😺

 

感染したら、生涯、体の中からウイルスが消えてなくなることはないんだよ。😿

 

だけどね、相手が感染ニャンコでも、咬まれたら必ず感染するわけでもないんだよね。😽

 

そのニャンコの体調とか免疫力とか、相手のニャンコの体内のウイルス量とか、要は運次第。😼

 

 

でね、噛まれた直後に検査(抗体検査)をしても、たとえ感染が成立してても検査には出てこない。😼

 

感染したかどうかは、怪我をした後1~2ヶ月以上待たないと、正確にはわからないんだよ。😺

 

実はね、僕ちっちゃい頃に検査をしたら、猫白血病は陰性だったけど、猫エイズの方はうっすらと陽性だったんだよ。🙀

 

その後に再検査をしたら、バッチリ陰性だったけどね。✌️😽

 

こういうことは、生後半年以内の子猫には時々あること。😼

 

検査キットの偽陽性だったり、ママニャンコの移行抗体の影響だったり。😼

 

生後6ヶ月を過ぎてから再検査をすると、陰性になることもあるんだよ。僕もそれ。😽

 

 

 FIVに感染してる子は、その症状によって5つの病期に分類されるの。😼

この順番で、普通は進行してくんだよ。

 

急性(AP)期

無症候キャリアー(AC)期

持続性リンパ節腫大(PGL)期

エイズ関連症候群(ARC)期

後天性免疫不全症候群(AIDS)期

 

急性(AP)期

感染後、数週間~4ヶ月ほど。

この期間に入ってから検査をすると、 FIVの抗体が陽性になるんだよ。

発熱、食欲不振、沈鬱、リンパ節の腫れ、下痢、血液中の白血球減少、貧血などの症状が見られます。

 

無症候キャリアー(AC)期

数ヶ月~数年ほど。

無症状で普通に過ごす時期で、このまま天寿を全うする子もいるよ。

 

持続性リンパ節腫大(PGL)期

全身のリンパ節が腫れるんだけど、分かりにくい時もあるよ。

 

エイズ関連症候群(ARC)期

免疫異常に伴って、口内炎や歯肉炎、上部気道炎(ネコカゼ)、消化器症状、皮膚病などの症状が見られます。

 

後天性免疫不全症候群(AIDS)期

FIVの末期で免疫不全となって、普通はあんまり問題にならない感染症とか、貧血、腫瘍になったりして衰弱するよ。

感染症は、カンジダ、クリプトコッカス、ヘモプラズマ、毛包虫など。

 

 

 

この5つの病期の進行と血液中のウイルス量には、相関があると言われてる。😺

 

だからね、血液検査でFIVの定量検査をすると、エイズの発症や予後を予測することができるらしいよ。😽

 

あとね、日本のFIVは、A、B、C、D1、D2の、5つのサブタイプに分類されているの。😺

 

この中で、サブタイプBの子はあんまり臨床症状を示さないから、他のサブタイプに比べてBは病原性が低くてエイズになりにくいって言われてるよ。😺

 

 

治療は、FIVに対する原因治療と、症状に応じた対症療法だけど、抗ウイルス療法はあんまり現実的じゃないね。😼

 

ワクチンも以前はあったんだけど、今は無くなってしまった。期待されるほどの予防効果と需要がなかったみたい。😿

 

感染しててもね、他に猫白血病ウイルスとか、他のウイルスや病気を持っていなければ、できるだけストレスのない生活を送れれば、感染していないニャンコとおんなじような一生を送れると思うよ。特にサブタイプBの子はね。😸

 

2010年の報告だけどさ、新潟市周辺ではサブタイプBの子が多かったんだよ。ちょっと嬉しいよね?😻

 

 

 

 

以上、もしもFIVに感染してたら、当時はスタッフニャンコになれなかっただろうし、僕のニャン生、違ってただろうなって思うマオでした。😽

 

 今では、新潟県や市の愛護センターのニャンコたちは、FIV陽性でも譲渡対象になっているんだよ。もちろん、きちんと説明をして同意が得られたらだけどね。😺

 

 

 

※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。