ニャンコの糖尿病

ニャンコの糖尿病 / 長谷川動物病院
 糖尿病のメイちゃん / 長谷川動物病院

 

こんにちは。スタッフニャンコのマオです。😺

 

新型コロナ陽性の人の数が更新され続けてて、憂鬱な毎日だけど、みんな元気?😸

 

 

先週は、ご無沙汰さんの来院が続いたんだ。 

 

でね、そういう久しぶりに来る子たちは、もれなく具合が悪くなってるの。🥺

 

先週は、ワンコの多中心型リンパ腫、ニャンコの心筋症、ニャンコの糖尿病が続きました。😿

 

最後に来た時よりも、体重がニャンコでも1~2kg減ってた。🙀

 

月並みだけどさ、やっぱり定期検診🩺は大事だと思うよ。😺

 

 

長くなったけどさ、今回はニャンコの糖尿病のお話です。😺

 

糖尿病は、インスリンというホルモンが不足したり、作用しにくくなるために、空腹時でも血糖値が高い状態が続いて、おしっこの中に糖が出てしまう病気。😺

 

ワンコもニャンコも人間もなるよ。だけど人間とおんなじだと思わないでね。😼

 

ニャンコの糖尿病は2型がほとんどだけど、人間と違って、基本、インスリンの注射が必要なの。食事療法と減量だけで治ることはないんだよ。😼

 

もしも、インスリンの注射をしないで治ったニャンコがいるのなら、その子は糖尿病ではなくて、血糖値が高めの子だったんだろうね、きっと。🥺

 

 

ニャンコの糖尿病は、高齢(7歳〜)になると増えて、特に、太った雄に多いって言われてるよ。😺 

  

ニャンコってさ、基本ビビリだから、病院に来ただけで血糖値が高くなっちゃう子がいるんだよ。(ストレス性高血糖)😹

 

だから糖尿病の診断は、血糖値だけでは当てにならないから、糖化アルブミンフルクトサミンっていう項目を調べて、確認をするんだよ。尿検査と一緒にね。

 

 

まずインスリンのお話をします。😺

 

食事をするとね、栄養素の一部はになって腸から吸収されて、体のエネルギー源になるんだよ。😺

 

インスリンはね、膵臓で作られるホルモンの一種で、腸から吸収された糖(ブドウ糖)を、血液中から体の細胞の中へ移動させる働きをするんだ。😼

 

食事で得られた糖は、細胞の中に取り込まれないと、体のエネルギー源として利用できない。😿

 

血糖値っていうのは、血液中の糖の濃度。だから、糖が血液中から細胞内へ移動すれば、血糖値は下がるの。😺

 

そうやって、食後に高くなった血糖値を下げる働きをするんだよ。😺

 

インスリンは、体の細胞のドアを開けるみたいなものだね。鍵がないとドアが開けられなくて、糖はいつまでもドアの外、つまり血液中に居続ける。この状態が高血糖だね。😽

 

多すぎる糖のせいで、身体中の水分が引き寄せられて(浸透圧利尿)、大量の糖尿として排出されるんだよ。だから脱水するし、喉が渇いてお水をたくさん飲んじゃうの。😿 

 

高血糖が続くとね、体の中でいろんな困った事態が起きるんだ。糖尿病の症状や合併症だね。 高血糖の状態は、体にはなんだよ。🙀

 

でも、インスリンのおかげでドアが開いたら、体は糖をエネルギー源として有効活用できるし、困った事態(合併症)も防げるはずだよ。😺

 

 

糖尿病は、空腹時でも血糖値が高くて、おしっこの中に糖が出てしまう病気。😺

 

だから治療は、『インスリンを注射して、高い血糖値を下げて、おしっこの中に糖が出ないようにすればいい』って思ってる飼い主さん、多いよね。😽

 

間違いじゃないけどさ、糖尿病の問題点は、

 

食事で得られた糖を、体がエネルギー源として利用できないこと。代わりのエネルギー源として、体内の脂肪や筋肉が使われて減っていく』ってこと。🙀

 

糖尿病の子は、食欲旺盛でたくさん食べるのにどんどん痩せていくんだよ。😿

 

だから治療は、適在適所。😽

 

足りないインスリンを注射で補ってあげて、糖を本来あるべき場所(細胞の中)へ移動させてあげること。😸

 

だからインスリン注射は、基本1日2回、必ず、食事とセットでするんだよ。😽

 

ただ血糖値を下げればいいってもんじゃないの。😺

  

ちょっとややこしいんだけど、病気の本質で大事なことだからさ、飼い主さんには、このことをまず頭に入れておいてほしいんだ。😺

 

 

糖尿病は、原因によって大きく2つに分類されるんだよ。😺

1型:膵臓からのインスリン分泌量の絶対的な不足(自己免疫性&原因不明)

2型:分泌量に関わらず、体のインスリン抵抗性による相対的なインスリン不足

 

 

ニャンコの場合は2型、つまり元々遺伝的にインスリンの分泌が正常か少なめな子に、肥満とか感染症とかの、インスリンが作用しにくくなるような原因が加わった結果、インスリン不足の状態になるっていうパターンがほとんど。😼

 

まるで、インフレに円安が重なって、日用品を買うためには、前よりもお金(インスリン)がたくさん必要みたいな、そんな感じだね。😩

 

だからさ、場合によっては寛解が可能で、そのためには糖尿病になった原因を突き止めることが大事なんだよ。😺

 

寛解っていうのは、インスリン注射が必要なくなること。2型ではあり得るんだよ。 もちろん、油断してるとまた再発しちゃうだろうけどね。😽

 

だけど完治は難しい。 まあ、再発させないようにすればいいんだけどね。😽

 

 

原因として多いのは、慢性膵炎肥満炎症性感染症医原性(ステロイド剤、黄体ホルモン剤)、クッシング症候群先端巨大症などだけど、あらゆる病気によるストレス原因になり得るんだよ。😺

  

原因がわからずにそっちの治療ができないとね、インスリンの注射量を増やしても、なかなか血糖値が下がらないことがあるんだよ。🙀

 

それとニャンコの場合は、インスリン注射でしばらく血糖値が安定していても、新たな病気や元々の病気の悪化が原因で、血糖値のコントロールが難しくなる時もある。😿

 

膵炎とか、腸炎とか、膀胱炎とか、歯周病とか、ネコ風邪とか、腎臓病とか。。とにかく他の病気の影響を受けやすいんだよ。😿

 

血糖コントロールがうまくいってなくて尿糖の出てる子は、細菌性の尿路感染症になりやすいから、注意してね。 糖尿は細菌も好物😻なんだよ。

 

そういう基礎疾患を、1つ1つ見つけ出して治療しなければならないところが、ニャンコの糖尿病の治療の難しさだね。😽

 

そして、高血糖の状態が長く続くとね、インスリンを作っている膵臓の膵島アミロイド沈着が起きて、自前のインスリンが作られなくなるかも。🙀

 

そうなっちゃうと寛解は難しい。だからインスリン注射は、早めに始める方がいいんだよ。😽

 

 

治療を始めてしばらくして、体重がむしろ増えたりして元気そうでも、血液検査糖化アルブミンorフルクトサミン)をしてみると、低めの値が出ることがあるんだよ。😺

 

ニャンコでは以外とあるね。😽

 

インスリンの注射を続けているうちに、原因疾患がよくなったり、膵臓のダメージが回復して、自前のインスリンの分泌量が増えた分、必要なインスリン注射の量が減るんだね。😺

 

糖化アルブミンフルクトサミンは、過去2〜3週間の血糖値の平均の目安だからさ、値が低めってことは、インスリンの注射量が多いってことだね。血糖値が低めの時間帯が多いってこと。😺

  

ひょっとしたら、インスリン注射が必要なくなったのかもしれない。😺

 

だから、体重や症状だけではわからないから、定期的な血液検査をお勧めするんだよ。😽

 

ニャンコは、入院して血糖曲線を作るどころか、お家での尿検査尿糖ケトン体もなかなか難しいからね。😿

 

「調子がいいから大丈夫なんて言わないで、検査はちゃんと受けようね。😽

 

 

症状は、ワンコとほぼ一緒。😺

 

お水をたくさん飲んで、おしっこを大量にして、たくさん食べるのに、どんどん痩せていく。😿 

 

糖尿病の合併症は、ニャンコの場合は、白内障になる子は稀だけど、末梢神経が障害されてかかと歩きをする子がいるよ。(15~20%)😺

 

血糖値のコントロールがうまくいってないと、ニャンコは肝リピドーシスにもなりやすいからさ、注意が必要だね。😺

 

高血糖の状態が長く続いて、救急疾患のケトアシドーシス高浸透圧性昏睡になると、食欲がなくなって、元気も無くなって、衰弱、脱水、嘔吐、下痢、昏睡状態になる子もいる。😿

 

こうなったら、すぐに入院して集中治療をしないと、命に関わるんだよ。😿

 

食欲がないのは、とっても危険⚠️🙀 すぐに病院に連絡してね。🥺

 

 

ニャンコの糖尿病では、血糖値が1日のほとんどの時間で100~300㎖/㎗の範囲にあるように、インスリンの投与量を調節するんだよ。😺

 

ニャンコの場合は、血糖値が300㎖/㎗未満ならば、おしっこに糖が出ることはないんだよ。😽(ワンコは200㎖/㎗未満

 

つまり糖尿病の症状が無くなって、ニャンコは健康に暮らせるってこと。😻

 

そのためには毎日、同じ食事を食べさせて、インスリンを注射して、尿糖や血糖値を調べてインスリンの投与量を調節するって、飼い主さんは本当に大変。😺

 

それが続けられるのって、愛情のなせる技だよね。😻

 

 

だけど、かわいそうだからって、おやつをあげるのはやめてね。😿

 

糖尿病ではおやつは厳禁!😿 毎日ちょこちょこあげられちゃうと、血糖コントロールが不可能に近いし、インスリンの投与量を増やさないと追いつかない。🙀

 

そこんとこ、おじいちゃん、おばあちゃんによく話して、納得してもらってね。

 

 

あと、糖尿病の子は高齢のニャンコが多いから、慢性腎臓病になってる子もいるよね。😺

 

特に腎臓の尿細管障害のあるニャンコは、血糖値が300㎖/㎗未満でも尿糖が陽性になることがあるんだよ。😽

 

そういう子は血糖の数値にこだわらずに、尿糖が陰性になるようにインスリンの投与量を調節する方がいいと思うよ。😺

 

 

そしてインスリンに効果的に効いてもらうためには、適度な筋肉脂肪が必要。

 

脂肪組織から分泌されるアディポネクチンっていうサイトカインは、インスリンに対する体の感受性を維持させる作用があるんだけど、肥満の子はこのアディポネクチンが少なくなってるんだってさ。😽

 

だから、太ったニャンコはインスリンが効きにくい。多めに注射しなきゃならないの。😼

 

逆に、痩せたニャンコはインスリンの吸収が悪かったり、作用時間が短くなったりするんだよ。😺

 

標準体重って大事だよ。僕が言うのもなんだけどね。😽

 

 

そして糖尿病のニャンコの1/4~1/3程度は、インスリン注射を始めてからインスリンの必要な量が減って、最終的に治療が必要なくなる場合もあるんだよ。😽

 

それを励みに、治療を頑張ろうね。😺

 

 

 

以上、立春を過ぎてニャンコの恋の季節到来だけど、『そんなの関係ね〜』な、じいちゃんニャンコのマオでした。😸 

 

僕、さっさと去勢されちゃったしね。😽

 

 

 

 

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