ニャンコのカイチュウ

ニャンコのカイチュウ/長谷川動物病院
               現代製薬HPより

 

こんにちは。スタッフニャンコのマオです。😸

 

あったかくて気持ちいいなあって思っていると急に寒くなったりの今日この頃、みんな元気?😺

 

 

今回は寄生虫のお話。カイチュウって知ってる?

 

子ワンコや子ニャンコでは、一番多い寄生虫だよ。😺

 

黄色っぽい白色で細長くて、イキがいいと少し丸まってる寄生虫。😽

 

興味のある人は診察室に、むうが吐き出したホルマリン漬けの回虫が保存されてるからさ、先生に見せてもらってね。😸

 

最近は糞便検査で見つかる子は減ってきたけどね、口から虫を吐いたとか、うんちと一緒に出てきたってさ、慌てて病院にやってくる飼い主さんもいるよ。😽

 

ワンコには犬回虫が、ニャンコには猫回虫が寄生して、犬猫ともに感染する犬小回虫の感染は日本では稀だよ。😺

 

困ったことに、回虫は人間にも感染するんだよね。🙀(トキソカラ症)

 

寄生数が少なければ、ワンコやニャンコはほぼ無症状。

 

だけど、子ワンコや子ニャンコは、嘔吐や下痢や食欲不振、発育不良、異嗜(いし:土や小石などの食べ物以外のものを食べたがる)、腹囲膨満、そしてごく稀に寄生数が多いときには、腸閉塞を起こして死んじゃうこともあるんだよ。😿

 

今回はそんな回虫の中で、僕たちニャンコに寄生する猫回虫のお話です。😺

 

猫回虫がニャンコに感染する経路は主に3つだよ。😺

 

①回虫卵(幼虫内包卵)を口から飲み込んで(経口感染

②回虫卵を土ごと食べて感染しているネズミや野鳥、鶏、ミミズ、ゴキブリなど(待機宿主)を食べて

③感染してるママニャンコのおっぱいを飲んで(乳汁感染

 

ちなみに、ワンコの犬回虫と違って、猫回虫は胎盤感染はしないんだよ。😺

 

そして①の経口感染した後は、ワンコと違って、ニャンコの場合は大人でも❶気管型移行と❷全身型移行の、両方の移動パターンをとるということ。😼

 

ワンコもニャンコも回虫は、感染した後に体の中をあちこち移動する変わった生き物なんだよ。😽 

 

気管型移行では、成熟卵→口→小腸粘膜へ侵入→肝臓→心臓→肺→細気管支→気管→食道→胃→小腸→産卵という経路で、ほぼ全身を回虫は移動するんだ。😺

 

口から回虫を吐き出すのは、気管→食道で喉を通過するときだね。🙀

 

猫回虫卵の経口感染の時のプレパテントピリオド(感染してから虫卵の排出までの期間)は55〜60日くらいだよ。😺

 

全身型移行の場合は、成熟卵→小腸粘膜へ侵入→肝臓→心臓(ここまでは気管型移行と同じ)→全身の臓器や筋肉(第2期子虫のままとどまり6ヵ月以上生存)

 

全身型移行ってさ、全身を移動するって意味じゃなくて、あまり移動しないで全身に散らばるって意味なんだよ。紛らわしいよね。😵

 

回虫がどうしてこんな経路を辿るのかは、わかってないんだよ。😽 わざわざ全身を移動しなくても、たどり着いた小腸にずっと止まっていればいいのに。😸

  

免疫細胞に追われて逃げ回っているのかもしれないね。🤔

 

回虫も含めて、自然界の生き物の最終目標は、大人になるまで生き延びて子孫を残すこと。😼 

 

人間の成人式ってさ、大人になるまで無事に育ったお祝いだよね? みんな当たり前のように思っているけどさ、昔は人間だって大人になる前に、特に出産中〜ちっちゃい頃に亡くなる子が多かったみたい。😿

 

ひな祭りとか七五三って、無事に育って欲しいとか、この歳まで無事に育ってくれてありがとうっていう、ご両親の切実な思いが込められていたんだよね。

 

 

体の中の回虫は、漏れなく免疫細胞の標的だから、砲弾が飛び交う戦場を歩いて移動するようなものだよね。🙀

 

目的地の小腸にたどり着くまでに、亡くなる回虫は多いはずだよ。🙁

 

そして運よく小腸にたどり着けても、オスとメスがタイミングよく出会えなければ子孫を残せないし、駆虫薬で駆除されちゃったり…。😿

 

回虫は回虫としての一生を生きているだけなんだけど、ワンコやニャンコや人間からしたら都合が悪い。利益相反、ただそれだけ。

 

マラリアや いろんな伝染病を媒介する蚊とか、マダニとかと一緒だね。

 

 

感染しているママニャンコの体の中では、全身の臓器や筋肉の中で眠っていた回虫の幼虫が乳汁中に移動して、子ニャンコがおっぱいを飲むことで感染、そのまま小腸で成虫に発育して産卵する。(乳汁感染:プレパテントピリオドは35〜42日)

 

居心地の悪い大人の体よりも免疫力の弱い子供の方が、苦労せずに子孫を残せるから、こっちの感染方法の方が回虫にとっては狙い目だね。😼

 

まあ、回虫の寿命のタイムリミットがあったり、オスなら妊娠しないし、メスでも必ず妊娠するわけではないし、免疫細胞に追われて仕方なく隠れてるだけかもしれないけどね。😽

 

大人のワンコは、たとえ回虫に感染していても検便で回虫の感染を知ることができない。😣(便の中に卵が出てこないから)

 

だけどニャンコの場合はね、大人ニャンコに感染しても回虫は大人になれて、卵を生むことができるんだよ。😺

 

もちろん持病があったり、猫エイズとか感染症に感染してたりして、免疫力が低下してるニャンコの方が、回虫にとっては都合がいいだろうけどね。😽

 

ウンチと一緒に排泄されたばかりの回虫の卵は、そのままでは感染能力がないんだ。😺

 

だからさ、排泄直後にお尻の周りについたうんちごと回虫卵を舐めて飲み込んでも、再感染は起きないんだよ。😸(毛に付いて残ることはあるかもだけど🙀)

 

うんちはなるべく早めに始末してね。感染予防のためにもね。😾

 

25℃の環境だと、猫回虫は20日くらいで感染可能な回虫の幼虫入りの卵に育っちゃう!🤭(犬回虫は10日くらい)

 

土の中にウンチと一緒に溶け込んだ感染可能な回虫の卵は、ニャンコへの直接の感染源になったり、ミミズとかゴキブリなんかに食べられて間接的な感染源になるんだよ。😺待機宿主

 

回虫卵を土ごと食べた、ミミズやゴキブリの体の中には回虫の幼虫が隠れてて、ニャンコに食べられる時を待っている。😽

 

そのままニャンコに食べられなければ、回虫は寿命が尽きて死ぬだけだからさ、寄生虫に支配されたミミズはわざと目立つように、土の上やアスファルトの上に出てくるのかもしれないね。🤔

 

お家の中だけで生活しているニャンコは、ネズミとか野鳥とかミミズを食べる機会がないからさ、感染する可能性はほぼないね。(ゴキブリはあるかな?)😸

 

 

回虫の治療は、駆虫薬の投与や対症治療だよ。😺

 

寄生虫は回虫だけじゃないし、駆虫薬は寄生虫の種類によって違うからさ、お薬は病院で処方してもらってね。😽

 

回虫の産卵は毎日ではないからさ、タイミングの問題で糞便検査の検出率はあまり良くないかもしれない。😩 だから何回か調べないと。

 

でもね、糞便検査で引っ掛からなくても、子供の頃に徹底的に駆虫をしておく方が安心だよ。😽

 

駆虫薬は経口薬とか滴下剤とかいろいろあるけどね、全身の臓器に隠れてる幼虫には効かないからさ、子犬・子猫の時に確実にやっつけなくちゃなんだよ。😼

 

飼い始めたら、すぐに動物病院で糞便検査を含めた健康診断を受けようね。😸

 

回虫の寄生を知らずに何ヶ月もお家の中で一緒に生活してたらさ、床やクッションやベッドとか、子ワンコや子ニャンコが居た場所が回虫卵で汚染されてるかもしれないよ。🙀

 

ワンコは3週齢までに駆虫薬投与を始めて3ヶ月齢までは2週間おきに、ニャンコは6週齢から定期的に駆虫をするのが理想的♪😺

 

だけどさ、こんな早い時期はまだお家に来てないはずだから、まあ、できるだけ早くから駆虫をしましょうね♪っていうことだよ。😽

 

具体的な方法は、先生に直接聞いてみてね。😽

 

 

人間は、感染可能な回虫卵を偶然飲み込んじゃったりとか、感染した鶏や牛(待機宿主)の内臓やお肉の生食で感染するらしいよ。🥺

 

人間はもともとの寄生主ではないからさ、体の中で回虫は大人になれない。

 

だから回虫の幼虫は、肝臓、腎臓、肺、脳、目に移動して、内蔵幼虫移行症眼幼虫移行症を引き起こすんだよ。怖いね。🙀

 

 

以上、去勢されたから子供を作れなかったけど、まあまあ幸せなニャン生だったかなって思うマオでした😸

 

幸せの形って色々だからね😽 ちなみに僕もしまじも回虫はいなかったよ😸

 

 

※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。