こんにちは。スタッフニャンコのマオです。😸
お盆を過ぎても、まだまだ暑い今年の夏。
みんな、熱中症には気をつけてね。😽
こないだ、怪我をした子猫が病院に連れて来られたんだよ。😺
生後2~3ヶ月くらいの仔ニャンコが車に轢かれて、右の後ろ足が大腿骨から折れて、皮膚の皮1枚で繋がってた。🙀
事故から時間が経っていて、幸いウジは湧いていなかったけど、大きな傷口は砂だらけだったんだ。😿
土とか砂で傷口が汚染されてたら、破傷風の感染を心配しないといけないのは人間と一緒だよ。😲
挫滅創、熱傷、凍傷、深さ1㎝以上の傷、唾液やゴミなどによる汚染創、動物による咬傷、銃創の時なんかだね。🤔
ちなみに『創にきずあり、傷にきずなし』って言うように、創傷の『~創』は傷口が開放性、『~傷』は非開放性のキズだよ。😺
破傷風菌は土の中にいる土壌菌(細菌)で、空気があると増殖できない偏性嫌気性菌。😺
地域差はあるけどね、世界中の土や泥の中に『芽胞』っていう硬い殻をかぶって眠った状態で存在してて、人間や動物の傷口から感染するんだ。🙀
だから人から人へ直接には感染しないよ。潜伏期間は3日~3週間くらい。
破傷風は感染・発症すると、まず口が開けにくくなって、筋肉の強張りとか、音や刺激に反応して(海老反り状態で)痙攣を起こしたり、呼吸ができなくなって死んでしまうこともある怖い感染症だよ。😿
破傷風の症状は、細菌が作り出す毒素(テタノスパスミン)によるもの。
だから人間の予防注射も、破傷風の抗毒素抗体を作らせるための(トキソイド)ワクチンだよ。😺
1968年(実際に広まったのは1975年頃)以降に生まれた人は、破傷風のワクチン接種を受けてるはずだよ。😽
ただし接種から10年過ぎると免疫力が弱くなるみたいだからさ、確認してみてね。
1967年以前に生まれた人は、破傷風ワクチン注射を1回も受けていないはず。🙀
だから人間の破傷風の患者さんは、高齢者の人たちがほとんどなんだよ。😿
ちなみにワンコやニャンコ用のワクチンはないよ。😾
子犬や子猫、糖尿病とかの基礎疾患のある子や、猫エイズや猫白血病ウイルスに感染してる子は要注意だけどさ、僕たちニャンコやワンコは破傷風に対する感受性が低いって言われてるんだ。発症しにくいってことだよ。😼
だけどね、君たち人間や馬や牛は、感受性が高いから注意しないといけないんだよ。🥺
ワンコや、特にニャンコに本気咬みされちゃった時は、必ず外科や整形外科の病院に行って、処置してもらってね。😿
人が咬まれる事故はワンコの方が多いけど、破傷風に限らずパスツレラとか、カプノサイトファーガとか、重症になるのはニャンコに咬まれたときの方が多いんだよ。😿 (⚠️カプノサイトファーガの仲間は人間の口の中にもいます!)
だけど、誤解しないでね。😾😠
それはニャンコがワンコよりも口の中が不潔だからってことじゃないよ‼️😾🆖
ニャンコの牙は細くて、本気で咬みつくと深くまで食い込むし、それに傷口がすぐに塞がってしまうからだよ。感染の条件が揃っちゃってるんだね。🙀
空気がない場所で増殖する偏性嫌気性菌や通性嫌気性菌は、タチの悪い菌が多いんだ。😾
その時はすぐにキズが塞がっても、後から化膿して蜂窩織炎とか骨髄炎とか、重症になることがあるんだよ。🙀
土や汚れ混じりの外傷がある子は、全身の状態が安定してたら、まず傷口を大きく開いて空気に晒して、汚れを洗い流すんだ。😺
嫌気性菌の増殖を抑えて、全体の細菌数を減らすってことだよ。😽
これはもちろん病院で。どんなに大人しい子でも、痛がって本気で咬みつくことがあるからね。😽👿😵
汚れが残っている状態で、絆創膏とかラップで傷口を塞ごうとしないでね。悪化しちゃうかもしれないからさ。😾
汚染されたキズがある時は、過酸化水素は別だけど、消毒薬で消毒する前に傷口をできるだけ開いて、ゴミや膿や血液を洗い流した方がいいんだよ。😺
消毒薬は、種類によっては体に成分が吸収されてしまったり、血液とか、滲出液とか、壊死組織があると不活化されて作用が弱められてしまうものがあるんだよ。😾
それに、消毒薬は正常な組織を痛めてしまうし、そもそも傷口には使っちゃいけないものがあるし、動物は舐めちゃうからさ、使わない方がいいかもね。😽
あんまり余計なことをしないで、できるだけ早く病院に連れてきてもらった方がいいと思うよ。😽
大きな開放性のキズの時には、病院では支持療法をしつつ抗菌剤を投与しながら、患部は毎日洗浄をして、壊死した組織を取り除いて、包帯交換をして、縫合できるようになったら皮膚の縫合をするよ。😺
汚染されたキズ(創)は、すぐには縫合しない方がいいし、そもそもできないんだよ。😿
細菌感染や炎症が収まっていない傷口は、縫合してもどうせすぐに開いちゃうしね。😿
細菌感染と炎症が収まったなら、逆に縫合をしてしまった方が早く完治できるし、ケロイドも少なくて綺麗に治ると思うよ。😽
縫合せずに治ったキズ(創)(二期癒合)は、毛が生えない硬い瘢痕組織(ケロイド)が残るからさ、大きな傷では動くときに引き攣れたり、関節部分では動かし難かったりすることがあるんだよ。😿
まぶたや口や肛門の近くにできた大きなキズ(創)なら、二期癒合の収縮が見られたら、元の大きさに戻すための形成手術が必要になるかもしれないね。
足先の大きなキズ(創)なら、皮膚移植が必要になるかも。
土や汚れで汚染されているキズ(創)に対しては、常在菌の黄色ブドウ球菌や大腸菌の他に、(湿った傷では好気性菌の緑膿菌を含めて)グラム陰性桿菌の対策をしつつ、ペニシリン系抗菌剤をメインに治療しましょうってことになってるよ。😺 その後に薬剤感受性の検査ね。😼
だけどニャンコ、特に子猫はお薬に関してはいろんな制約があって、そもそも使える抗菌剤や投与量が限られてるし、僕たちニャンコは苦いものが苦手だからさ、現実には飲ませられないお薬もあるんだよね。😿
だから重症のときは、ある程度お薬の副作用を覚悟しないといけない場合があるんだよ。😿
以上、『獣医さんのくせにさ、狂犬病も破傷風の予防注射も受けてないって、🤭どうなの?😒』って、つくづく思うマオでした。😩😓
いくら痛いのがイヤだって言ったってねえ🥴 獣医さんてみんなそうなの?😎
😺併せてお読みください
※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。