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治療の終わりと、始まりと

 

その日は嬉しいことと、それから残念な出来事が一度にありました。

 

動物病院あるあるで、不思議ですがどちらもリンパ腫がらみの出来事でした。

 

嬉しい出来事は、2年間、消化器型リンパ腫の治療を続けてこられたタマちゃんとそのご家族が、めでたく治療開始から丸2年を迎えられたことでした。

 

そしてご家族との申し合わせ通りタマちゃんの抗がん剤治療はこれで一区切りとなります。

 

がん治療で2年というと、本来は完全寛解(腫瘍が確認されなくなるが完治ではない状態)後2年をいうのですが、タマちゃんは抗がん剤の治療にとてもよく反応してくれた優等生なので誤差はせいぜい1ヶ月ほどです。(^^)

 

ささやかですが、お花を用意してお祝いをしました (^^)🎶

お顔を出しても大丈夫ということでしたので、皆様の笑顔を撮らせていただきました。

 

 本当にみなさんいいお顔をしていらっしゃいます (^^)

とても嬉しい時間でした。(^^☆)

(タマちゃんの治療記録は後ほどまとめてUPします)

 

 

そのあとに、お願いしていたダックスくんの病理検査の結果がファックスで届きました。

 

否定して欲しいと思っていた、皮膚腫瘍という結果。

『上皮向性皮膚型リンパ腫』でした。

 

その子の症状は、アトピー様の皮膚炎なのですが、なんだかおかしいと感じるのです。

幸い飼い主様も同意してくださいましたので病理検査を依頼していたのでした。

 

私は早速電話をして、直接診断医にお話を伺いました。

そして

①パジェット様細網症 

②現在は紅斑期~浸潤期 

③高悪性度

④臨床ステージは𝖨期 

⑤おそらくT細胞性

という診断書には書かれていないことを教えていただきました。

 

診断医と直接お話をするのはいいことです。

私は病理の専門家ではないのでとても勉強になりますし、そのお話は治療法のヒントにもなります。

 

お話の中で、腫瘍細胞は表皮に限局しているということでしたので、T細胞性と

いうこともありますが、今現在、抗がん剤の効果は期待できないと思われます。

(これから進行して腫瘍を形成するようになったならわかりません。B細胞性の可能性もわずかではありますがありますから。検査をすればわかることです。)

 

そういう諸々のことを含めて、お時間を頂いて飼い主のご家族の方に対して説明をし、今後の治療についてご相談することになりました。

 

治療の終わりと、始まりと。その日はそんな1日でした。