今年は暑いくらい暖かいので、桜の開花も早かったですね。(^^)
その分、虫たちの活動も早そうです。
蚊にそっくりな虫がもうすでに出始めていて、お家の壁とかドアにくっついていますね。(>_<)
でもこれはユスリカ。蚊柱を作って、吸血しない蚊です。
ワンちゃんや、猫ちゃん、フェレットくんたちにとって怖い蚊はもう少し後に出てきます。
なぜ怖いかはもうお分かりですよね? (*^ー゚)b
蚊はフィラリアという寄生虫を媒介して、この子たちに感染させてしまう悪いヤツです。
フィラリアの成虫はオスは体長約17㎝、メスは約28㎝、そうめんのような寄生虫です。
面白いのは(不謹慎ですが…(^^ゞ)犬に感染したフィラリアのメスはミクロフィラリアという子虫を産んで(オスもいなければ産めませんが (^^ゞ )その子虫は蚊が吸血時に血液とともに犬の体内から蚊の体内に入って成長し、再び吸血時に犬の体内に戻らないと成虫になれないということです。
①犬の肺動脈や心臓(右心室)でフィラリア成虫のメスが子虫(ミクロフィラリア)を産む
②血流に乗って犬の全身の血管内にミクロフィラリアが分散し蚊に吸血されるのを待つ
③蚊が犬を吸血時に血液とともにミクロフィラリアが蚊の体内に移動する
④蚊の体内で成長(2回脱皮)し蚊が動物を吸血時にその動物の体内に移動する
⑤その動物の皮下や筋肉、脂肪組織で約2ヶ月弱過ごして、その後血管内に移動して肺動脈に到達後成虫になる
この条件が揃わなければフィラリアは大人になれません。
猫やフェレットでは感染しても、ほとんど成虫にはなれないのです。
ミッションを全てクリアーしないとゴールできないみたいな?そんな感じです。(^^)
ちなみにミクロフィラリアの寿命(リミット)は約2年です。
フィラリア予防薬は錠剤、ジャーキータイプの飲み薬、スポットオンタイプの滴下薬、注射薬といろいろあり、それぞれメリット、デメリットがあります。
これらのフィラリア予防薬は、実はミクロフィラリア駆虫薬です。(^^)
ミクロフィラリアを定期的に駆虫することで、フィラリア症を予防しているのです。
私たちの病院では錠剤、ジャーキータイプの飲み薬、スポットオンタイプの滴下薬をご用意しています。
オススメしているのは錠剤、ジャーキータイプの飲み薬です。
またこれらのお薬を、すでにフィラリアに感染している動物に投与することはとても危険です。
ですから病院では必ず採血をしてフィラリアに感染しているかどうかの検査をします。
錠剤、ジャーキータイプの飲み薬、滴下剤は、投薬日から遡って約1ヶ月間に蚊に刺されたときにそのワンちゃんの体内に入り込んだミクロフィラリアを駆虫するお薬です。
ですから1回の投薬で効果があるのはその時だけで、1ヶ月間効果が持続するわけではありません。 (*^ー゚)b
定期的にミクロフィラリアの駆虫をしているのです。
そのためお薬と一緒にシールをお渡しして、おうちのカレンダーに貼っていただくことで、月1回の投薬を忘れないようにとお話ししているんですね。
投与期間は、蚊が出始めてから1月後~蚊がいなくなって1月後までです。
「蚊がいなくなったからもう飲ませなくてもいいね(^ω^)」では、せっかくの投薬も無駄になってしまうかもしれません。
予防はしっかり最後まで! (ง •̀_•́)ง
可愛い子たちのために飼い主さんなのですからきちんと守ってあげてくださいね。(*^ー゚)b
ちなみに、猫ちゃんやフェレットくんたちはフィラリアの本来の寄生動物ではありませんでした。
予防薬のせいでワンちゃんたちの体に居ずらくなったフィラリアが新天地を求めたのかもしれませんね。
この子たちは体も小さいので、感染した場合はワンちゃんたちとはまた違った症状が見られます。
確実な予防をお願い致します。(^^)
皆様のご参考になれば幸いです。