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猫にお茶:お茶の成分について

先日、「猫ちゃんがプーアル茶を飲んでいたけれど大丈夫でしょうか?」というご質問を受けました。

お茶好きの猫ちゃんもいるのですね。

 

プーアル茶はウーロン茶や紅茶、番茶と同じで、もともと緑茶と同じ茶葉が原料ですので、今回は緑茶についてお話ししたいと思います。

 

緑茶成分』が含まれているペットフードを見かけたことはありませんか?

 

この『緑茶成分』とは、おそらくカテキンのことだと思われます。

 

 緑茶に含まれるカテキンには、抗がん作用、抗酸化作用、抗菌作用、虫歯予防や体脂肪を減少させる効果などが期待されています。

 

さらに緑茶にはL-テアニンという精神安定作用のある成分も含まれていて、猫の特発性膀胱炎を予防する目的で一部の処方食に含まれています。

 

 

私たち人間にとっては健康に良いイメージの緑茶ですが、反面、カフェインシュウ酸など、動物にとって都合の悪い成分が含まれていることも事実です。

 

カフェインには精神刺激作用や、解熱鎮痛、利尿作用があり、動物は摂取する量によっては頻脈や呼吸促迫、異常興奮、痙攣など、カフェイン中毒の症状を表すことがあります。

 

致死量は犬で1㎏あたり100~200㎎、猫で1㎏あたり80~150㎎と言われています。

 

緑茶は100㎖あたり20㎎のカフェインが含まれていることになっていますので、少し飲んだくらいでは大ごとにはならないでしょうが、個体差がありますので注意は必要です。

 

余談ですが、カフェインは若芽の部分により多く含まれているそうです。

なのでほうじ茶のカフェイン量は少なく、新茶の季節はより用心しなければいけませんね。

 

 

シュウ酸は人でも動物でも、シュウ酸結石の原因となります。

種類にもよりますが、緑茶には1%位のシュウ酸が含まれていると言われています。

 

シュウ酸カルシウム結石は犬も猫も尿路結石の中ではできやすい結石ですので、過去にこの結石が認められたことのある動物は注意が必要です。

 

たとえどんなにお茶好きな子でも、動物にお茶を積極的に飲ませることはお勧めできません。

飲んでいる途中のお茶は、動物たちの届かないところに置いてくださいね。

 

またお茶だけでなく、茶葉の保管にも注意が必要です。

茶葉の方が、これらの成分が高濃度で含まれていますので、食べてしまわないようにしっかりと管理してくださいね。

 

麦茶はノンカフェインの代表ですが、大麦が原料ですので、アレルギー反応が起きる可能性があります。

 

 

 

動物たちの健康管理の参考にしていただけましたら幸いです。

 

 

※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。