最近、都内の猫カフェで猫のパルボウイルス感染症が発生して、たくさんの子猫が死んでしまい話題になっているそうです😔
かわいそうな話ですが、猫ちゃんを飼っていらっしゃる方々は人ごとではありませんね。
ひょっとしたら、そこの猫ちゃんたちはお店の外に出て他の猫たちと接触する機会がないので、『ワクチンなんで必要ない』と経営者の方は思っていたのかもしれません。
同じように思っていらっしゃる方はいませんか?
「うちの子は全く外に出ないから、お散歩しないから、ワクチンは必要ないわね」とか。
たとえ完全室内飼いでも、猫ちゃんは、ワンちゃんも、安心・安全ではあり得ません。
なぜって、私たち人間の体に付着したウイルスからでも感染することがあるからです。
なので今、東京の立川あたりでは、猫カフェの『はしご』が禁止されているそうです。
ちなみに猫のパルボウイルスは犬も感染し、犬のパルボウイルスには猫も感染します。
『りんご病』は、ヒトパルボウイルスによる感染症です。
パルボウイルスは乾燥した環境でも半年~2年くらい生き続け、アルコール消毒は無効で、次亜塩素酸ソーダなどの強力な消毒剤での徹底的な消毒が必要とされています。
猫のパルボウイルス感染症は、『猫汎白血球減少症』や『猫伝染性腸炎』と呼ばれていて、3種や、5種といった猫の混合ワクチンには必ず入っています。
このウイルスの感染力と致死率の高さを利用して、昔、南アフリカのマリオン島では、増えすぎた猫の数を減らすために、人為的にこのウイルスが持ち込まれたほどです。ひどい話です😡😤
特に子猫が感染すると致死率が90%以上と、とても高いです。
子猫はワクチンを接種していても、母猫からの移行免疫がなくなるタイミングや、ワクチンは効果を発揮するまでに接種後2週間ほどかかることから、接種のタイミングによっては感染することがあり得るのです。
助かるかどうかは、どれだけ早く病院で適切な治療を開始するかにかかっています。
特に多頭飼育のご家庭では、全ての子にワクチン接種をしていただきたいです。
一度感染すると、立川の猫カフェと同じ状況になってしまいますので、動物たちとご家族の苦しみ、悲しみ、治療の大変さや、治療費はワクチン代の比になりません。
そんなことにならないためには、適切なワクチン接種と飼い主の方々の正しい知識が必要です。
それと、動物たちにいつもと違う異変を感じられたならば、早めにご来院ください。
動物たちの健康管理の参考にしていただけましたら幸いです。
※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。