暑さのせいで、熱中症を疑うワンちゃん、猫ちゃんが来院されています。
いつもより早い音のする激しい呼吸、猫でも開口呼吸、大量のよだれ、動物の体を触ると熱い、血色がいい(充血)か、あるいは黒っぽい青、目が虚ろ、吐き気があったり実際に嘔吐した、お水をほとんど飲んでいない、体を痛がる(筋肉痛)、立っていられない、まっすぐに歩けない、呼びかけに反応しない、など。
これらの症状があるときは、まずびしょびしょのタオルで全身を包み、冷やしながら速やかにご来院ください。
①短頭種(フレンチブル、シーズー、パグ、ペルシャ猫など)
②子犬子猫、シニア犬猫
③肥満気味な子
④心臓病を持っている子
⑤慢性疾患のある子
⑥毛量の多い、長毛種、原産国が寒い地方の子(サモエド、ハスキーなど)
これらの子たちは、熱中症にかかりやすいので、特に注意が必要です。
普段からエアコンを使用して、熱中症予防をしてあげてください。
その際に、扇風機で空気を循環させ、風を作ってあげるのも暑がりなワンちゃんたちには特に、効果的だと思います。
逆に、人間のエアコンの設定温度が寒すぎるというワンちゃん、猫ちゃんには、スイッチを入れないコタツのような、中に潜り込める安全地帯を作ってあげるといいと思います。
寒ければ、自分で移動するでしょうからね。
元気な子も、病院までの移動中の車の中で、熱くなってしまうことがあります。
カークーラーをつけていても安心はできないのです。
キャリーバッグの中は、まず通気性があまりよくありません。
狭くてほぼ密封の空間に、気温よりも高温の動物がいて、その子が暑さと病院へ行くという恐怖のために、普段より早く多くの呼吸をして、キャリー内の湿度と温度を上げてしまうのです。
そういう訳で、クーラーをつけていても動物のいるキャリー内の温度は上がるはずです。
小さな保冷剤を中に入れるか、キャリーの上に大きめの保冷剤を乗せて、冷やしながらお越しください。
携帯用の扇風機で、キャリーの中に送風してあげるのもいいでしょう。
保冷剤がなければ、ジップロックなどのビニール袋にお水を入れて凍らせておいてもいいと思います。
動物たちが飲むお水の量も、気にして確認していただきたいと思います。
特に高齢の動物たちは自覚症状が乏しく、積極的にお水を飲もうとしない傾向があります。
暑いのに容器のお水の減り方が普段よりも少ないなと感じられたなら、むしろ強制的にスポイトなどで飲ませてあげてもいいかもしれません。
逆に、最近やけにお水をたくさん飲むようになったという子は、肝臓や腎臓、内分泌系の病気かもしれません。
早めの検査をお勧めします。( 8月31日まで血液検査キャンペーン中です!)
1日のお水の目安としては、いろいろな説がありますが、ワンちゃんは体重1㎏ あたり40~70㎖、ネコちゃんは20~45㎖のお水が必要です。
5㎏のワンちゃんなら200〜350㎖、猫ちゃんなら100〜225㎖のお水が必要ということです。
( ペットボトルを利用して器に500㎖か1ℓのお水を用意しておいて、1日の終わりに残ったお水の量を測って、引き算をして確認してください )
この中にはフードに含まれている水分も含まれますので、ドライフードだけを食べている子たちはそのままの量となります。
動物たちの健康管理の参考にしていただけましたら幸いです。
※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。