蚊が吸血する時に媒介される、フィラリアという細長い寄生虫が、最終的に犬や猫やフェレットの心臓に寄生して引き起こされる怖い病気です
予防薬が登場する以前は、この病気のために犬の平均寿命は5歳くらいでした
今では想像できませんね
予防薬のおかげで感染犬は減りましたが、感染の危険性はまだまだゼロではありません
外飼いだったり、きちんと予防してもらえないワンちゃんがいるからです
確実に予防をしてあげれば、今は動物たちがかかることのない病気です
うっかり忘れることなく、最後までしっかりと予防をお願いいたします
猫とフェレットは犬に比べて寄生数が少ないので、検査での検出が難しく発見が困難です
猫の犬フィラリア症は、心臓ではなく肺の病気と言われていて、犬とは症状が違い、突然ショック状態に陥り死亡する場合もあります
猫もフェレットも感染した場合、治療はとても困難です
外出したり、室内でも蚊に刺される可能性のある猫ちゃんやフェレットさんは、是非予防をしてあげてください
参考:猫のフィラリア症 https://n-d-f.com/cat/cat_filaria/
フィラリア予防薬は、実はフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)の殺虫剤です
月1回の投薬で、定期的にミクロフィラリアの駆虫を行なっているのです
ノミやマダニの駆除剤と違って1ヶ月間効果が持続するわけではありません
なので、投薬期間は吸血する蚊が発生した1ヶ月後〜いなくなった1ヶ月後までとなります
私たちの病院では、忘れないで投薬していただくために投薬日を1日に設定しているので、6月〜12月まで、毎月1日に投薬をすることをお勧めしています
もしも『月末のお給料日の方が忘れなくていいんだけどな』と思われた方は、それでいいと思います
その場合は5月〜11月まで、月末のお給料日にお薬を飲ませてあげてください
参考:
新潟県の感染期間 http://filaria.jp/html/hdu/hokuriku_tokai/index.html#niigata
ちなみに3〜4月頃に、大量に見られる蚊によく似た緑色の虫は、ユスリカといって吸血しない虫です この虫はフィラリアを媒介しません
なので、この虫がいるからといって投薬を急ぐ必要はありません
予防法は、月1回投与の錠剤やジャーキータイプのお薬、滴下式(スポットオン)のお薬の他に、効果が1年間持続する注射剤があります
私たちの病院では、錠剤、ジャーキータイプ、スポットオンのお薬をお勧めしています
参考:犬のフィラリア症
主に昼間に行動するヒトスジシマカ、夜に行動するアカイエカなど、媒介する蚊は日本で16種類が知られています
新潟では例年、5月中旬頃から吸血を始めます
・ヒトスジシマカ(ヤブカ)
背中に白いシマシマがあってわかりやすいです
昼間〜夕方に吸血し、夜は活動しません
・アカイエカ
住宅地に多く、夕方〜夜に吸血します
胸のあたりがうっすらと赤茶色してます
参考:アース製薬
ノミとマダニの予防には滴下する液体のお薬とジャーキーみたいなおやつタイプのお薬があります
皮膚がデリケートなワンちゃんには、ジャーキータイプのお薬をお勧めします
最近はノミとマダニ、フィラリア、お腹の中の寄生虫をまとめて予防・駆除できるオールインワンのお薬も登場しました
その子の生活スタイルによってお勧めするお薬が異なりますので、詳しくはお問い合わせください
これらのお薬は、ワンちゃんと猫ちゃん用のお薬で、ウサギなどの、ほかの動物のためのお薬はありません
私たちの病院では効能外使用となりますが、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットに対して、経験的に安全に使用できると判断しているお薬を処方しています
ネコノミは犬、猫、人間その他の動物を吸血します
それによって動物には
①ノミアレルギー性皮膚炎
②瓜実条虫の感染
③ヘモプラズマ感染
人には、猫引っ掻き病(バルトネラ症)やかゆみによるストレスを引き起こす可能性があります
一旦吸血されてしまうと、例えお薬でノミを駆除しても、アレルギーによる激しい痒みと炎症は残ります
吸血される前に、早めに予防をしてあげましょう!
アトピー性皮膚炎の子は、ノミアレルギーによる皮膚炎の悪化を防ぐために、駆除薬を継続して使用することをお勧めします
マダニは犬、猫、人間その他の動物の吸血をします
最近は猫もつけてきます!
それによって動物と人間に
①アレルギー性皮膚炎
②ダニ麻痺
③バベシア症
④日本紅斑熱
⑤ライム病
⑥Q熱
⑦エールリヒア症
など、命に関わるたくさんの病気を引き起こす可能性があり、とても危険!です
動物の体に、吸血しているマダニを見つけらましたら、どうかマダニに触らずにお早めにご来院ください
動物が吸血される前に、早めの予防をお願いいたします
参考:エランコジャパン株式会社
余談ですが、ダニはTick(マダニのように目に見えるダニ)と Mite(ヒゼンダニのように目に見えないダニ)に分けられます
皮膚病の掻爬(そうは)検査の時に、顕微鏡を覗いて探しているのは、目に見えないダニ、Miteの方です